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ガイナルーフの特殊な使い方

ガイナルーフを通気層の下端になるように張りました。
普通、屋根通気層を設ける場合、通気層の下端となる面を合板で作り、垂木や母屋、梁などで、上端(野地)を合板や野地板で作ります。
今回はその通気層の下端をガイナルーフで作ったイメージです。

図面


この建物は縦ログ工法で、天井に断熱材を置き、高さを変えた根太を設置して勾配を確保して、その根太にガイナルーフを張りました。その上に母屋を設置して野地板を設置して、ガイナルーフと野地板の隙間を通気層とし、ガイナルーフと断熱材の間を小屋裏としました。

側面 ガイナルーフと母屋の間には隙間ができないようにこの写真を撮った後処理しています。
棟側
野地板の上には通常ルーフィングを設置

温度データは4月に採取しました。屋根材設置の関係でわずかな期間しか温度データロガーを設置できず、また雨が多く、充分な期間の採取ができたわけではありませんが、一日だけよく晴れた日がありましたのでピックアップします。
温度計は、できるだけ、端面より奥の方に設置して測定しました。

赤色の線は通気層上端の野地板の温度、青色は通気層の空気温度、黄色はガイナルーフの下の空間である小屋裏の空気温度です。
ガイナルーフを挟んでその上下の温度を測定しています。

結果は、小屋裏の空気温度と野地板の比較で4℃〜7℃、小屋裏の空気温度と通気層の空気温度で、4℃〜9℃の差が生じました。

ガイナルーフを通気層の下端に張り付けることで熱貫流に大きく影響することは幾つかの事例で証明されています。

ガイナルーフ表面に塗布しているガイナは、空気との熱交換を抑制し、野地からの遠赤外線放射も吸収して即座に通気層に再放射します。
ガイナは対流熱伝達率が高く、通気層の気流により、ルーフ表面の熱エネルギーを積極的に放熱します。
また、ガイナルーフの素材は軟質弾性プラスチックなので、熱伝導率や熱拡散率、熱浸透率も小さく、熱貫流に抵抗します。
その結果として、今回採取したような温度差が生まれます。