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通気層の役割

通気層は除湿層です。多少の断熱効果もあるかもしてませんが、基本的に除湿を目的としています。通気層内には対流による熱移動と遠赤外線しかなく、躯体面にアルミを貼り付けても、アルミにより抑制したいエネルギー量は僅かです。もっともアルミは遠赤外線放射をしないので冬には保温効果が見込めます。
水分の大きさは0.38nmですから大抵の物体は湿圧の差があれば通り抜けます。建築では屋外から壁内には透湿防水シートで防水しながらも水蒸気の出入りは許しています。高温多湿の屋内から壁内に侵入した水蒸気を屋外に排出するためです。断熱材も乾燥状態で性能を発揮するのであって、湿ると性能が低下しますし、そればかりか壁体内を濡らして木材を腐らせ、建物の寿命を縮めます。
そのために一般に室内には気密フィルムを設置し、室内からの水蒸気の侵入を抑止します。それに加えて屋外側に通気層を設置することで、壁内の水蒸気を吸い出し、壁内を乾燥状態に保つことができます。
通気層では気流が発生しますから常にドライエリアとなります。例えば空調ダクトでも外側は結露しますが、冷風が流れるダクト内では結露しません。一定の風速があればドライな状態を維持できます。
通気層には気流が発生します。通気層は一般には軒下で開放されますが、屋根通気と一体にすると高低差や温度差でより大きな気流を生みます。

通気層内のイメージ

壁から水蒸気が通気層内に抜け出る時、蒸発潜熱(気化熱)により壁面の温度低下も期待できます。気流が大きければ大きいほど壁を冷やす効果は期待できます。

仮に屋外気温が30℃の時、通気層内部の温度は40℃程度です。屋根通気の温度は60~80℃ですから、通気を一貫したとき、高低差と温度差で大きな気流を生みます。
屋根壁一貫通期の時、外壁にガイナを塗装すると屋外気温が30℃の時、壁通気層内の温度も30℃です。ですからより大きな温度差を生み、より大きな気流を生むことになります。
屋根通気層躯体面にガイナルーフを設置すると小屋裏、最上階の寝室やロフトも温熱環境的に快適な空間にすることができます。

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